2024年7月24日から3日間、岩手県花巻北高等学校において、全校生徒を対象にCanSatワークショップが行われました。
CanSatとはアルミ缶を模擬人工衛星として、体育館の天井約8mの高さからパラシュートを使って落とし、与えられたミッションをクリアするワークショップです。
同校では3年前から毎年行われており、3年生はもう3回目のチャレンジとなりました。
初日は、3年前からプロジェクトをサポートいただいている東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻中須賀真一教授から応援メッセージをいただいたあと、中須賀研究室の大学院生4人から人工衛星や、CanSatのつながりなどについての講義をしてもらいました。
ミッションは、指定秒数(3.2秒)で落下させること、着地時にCanSatを直立させること。加えて1年生はCanSatに内蔵した風船を落下時または着地時に破裂させること、2年生は投下装置からより遠くに飛ばすこと、3年生は内蔵した消しゴムをCanSatからできるだけ遠くに飛ばすこと。それぞれのミッションをクリアするために各チームそれぞれチャレンジすることになります。
初日は地元花巻の企業である株式会社オプトルの社員4人も参加。ものづくり企業として高校生たちとともにワークショップを体験することになりました。
生徒たちはそれぞれの教室へと帰り、必要な資材を資材室から持ってきて製作を始めます。そこはもう3年目。短い時間で制作はサクサク進みます。昼休み過ぎにはもう体育館で落下トライが始まっていました。試してみて、持ち帰って修正を図り、またテスト。本番ギリギリまで試行錯誤が続きます。体育館のあちらこちらで喜びや落胆の声が挙がり、一喜一憂。昼休みも入れて3時間ほどで本番の時間となりました。
本番は各チーム一発勝負。直立させるために重い資材を使い過ぎると落下速度が早くなってしまいます。一方であまり軽すぎると直立しません。バランスを考えながら、消しゴムを飛ばす仕掛けはそれぞれなるほどと思わせるものばかり。中には7〜8m飛ばすチームもありますが、直立させるにはどこも苦労しているようです。体育館内は歓声でいっぱいになり、盛り上がります。落下装置を操作したり、飛んだ消しゴムの距離を測ったりと、サポートの先生方も汗をかきながら必死です。
すべてのチームのチャレンジが終わり、結果発表と表彰式が行われました。グッドアイデア賞の2チームも、3位以内で表彰されたチームも、残念ながら入賞できなかったチームもみんないい顔。頭を使って工夫し、手を動かし、仲間でチャレンジするといういい時間を過ごせたのではないかと思います。
このワークショップでは模擬人工衛星を使った学びでしたが、「失敗」「原因究明」「解決」のトライ&エラーはこれからの学生生活、進学後、そして社会人となって仕事をする上でも必要なこと。これからの学校生活においても今回のワークショップ体験を活かしてもらえたらと思います。
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