2024.04.09

宇宙飛行士 金井宣茂氏の講演開催

「ゲストスピーカープログラム」実施

2024年2月19日、主に岩手県立花巻北高等学校生徒を対象とした宇宙飛行士講演会が、花巻市総合体育館第3アリーナで行われました。これは同校のスペースプロジェクトの一環としてJAXAの公募に応募し、同校が主催者となって実現したもので、1・2年生全員のほか、一部の保護者や一般の聴衆が、約1時間の講演に耳を傾けました。(学校独自の取り組みを、UP花巻のプロジェクトとして、サポートを行いました。)

宇宙飛行士 金井宣茂氏

今回の講演に来花したのは国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士の金井宣茂氏。防衛医大出身の海上自衛隊医官だった経歴を持つ方です。JAXAの宇宙飛行士募集に応募し合格。訓練を経て、2017年12月から2018年6月にかけて、国際宇宙ステーション(ISS)第54次、第55次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに168日間滞在。ミッションテーマの「健康長寿のヒントは宇宙にある」に基づく各種利用実験活動のほか、船外活動やドラゴン補給船運用第14号機(SpX-14)の把持などを実施した方とのことです。現在は宇宙飛行士との交信を担当する管制員(J-COM)として「きぼう」運用管制業務に携わるとともに、日本人宇宙飛行士によるミッション及びミッション準備活動を支援されています。

 

 

講演は放送部の生徒による進行で、はじめに生徒代表によるこれまでの活動のまとめやこれからの計画などについてのプレゼンテーションがあり、須川校長からの講師紹介に続いて、金井氏の講演が始まりました。

 

人生にはさまざまな道がある

金井氏からはまず国際宇宙ステーション(ISS)の概要についての説明と、宇宙から見た地球の姿。そしてISSの中での生活について説明があり、滅多に聴く機会のない実体験による具体的な話で聴衆の心を掴んでいました。

まず、船内での生活について。狭い船内とはいえプライバシーが守られているという話や、プライベートの時間に映画を見た話、トイレや食事のことなど、想像よりも快適に過ごせたということは聞く機会が少ない話で興味深いものでした。また、地上に帰った時に筋力が落ちないよう運動も定期的に行っているとのこと。地上に帰ると歩き方が分からなくなり、医師としてはその状態も興味深かったのだそうです。

自らのミッションについては植物を育てたり、細胞培養をしたりという仕事のほかに、船外活動を行った話もありました。アジア各国の高校生たちからの希望を募り、無重力状態の中でコマを回したり、水と油で水玉を作ったりという実験も行うミッションもあったそうです。

 

海上自衛隊の医官だった金井氏は、当時の仕事として潜水に関わっていた時に水圧や重力などの極限環境における医学から宇宙への興味が湧き、潜水医学と宇宙医学の近さに気づいて自ら希望したのだそうです。南極、海上や被災地などの特別な環境下での健康管理に興味があるとの話でした。

そんな経験から、人生にはさまざまな道があるとの話になり、未来にはどんな可能性があるかわからないので、いろんなことを経験し、その時々に興味あることを追求してほしいとの生徒たちへのメッセージを送ってくれました。

 

講演後は生徒の中から3人の質問者が登壇。自分の道を歩む中で苦しいこともあるけれど、それは笑い飛ばせばいいという話や、無限の可能性を自ら狭めることなくチャレンジして欲しいというアドバイスは生徒たちの心に残り、自信につながる話だと感じました。これから自分の人生へ向かう生徒たちにとっては背中を押してくれる講演会になったと思います。

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